2014年1月19日日曜日

DJ tagosakuインタビュー Vol.1

第1回MEGA DUGEMのトリを務め、2014年1月18日のDUGEM RISINGにゲスト出演をしたDJ tagosaku。関西のDJチーム、DUGEM DI BARAT DJ Teamに所属し、インターネットDJ番組Loopy Relayのメンバー、DJはもちろんトラックメーカーとして活動する彼に、音楽遍歴やDJ下積み時代の話、人生を変えた二人のDJ、そしてFUNKOTの出会いを語ってもらいました!



‐まずは最初には皆さんにお聞きしているのですが、tagosakuという名前の由来は何でしょうか?

DJ tagosaku 名前のtagosakuは大学の時のあだ名で、全員一人ずつにとりあえずあだ名を付けるというのが自分が入ったサークルでありまして、全く何も情報がない状態で先輩から「どこ出身?」って聞かれて「舞鶴です」って言ったら、「あ、まぁまぁ田舎やな」と言われてそれでtagosakuになったんです。田舎だから農民とかをからかって使う「田吾作」ってあだ名を付けられたんですけど、田吾作は嫌やなぁと思って、もう少し違う形に持っていけないかなと思ってたら、隣とかでもっと酷い名前が誕生し始めて、これは田吾作って自分で言わないとどんどん違う名前にされてしまうと思って、それでそのまま使っていますね。

‐大学時代からずっと使っているんですね。
 
DJ tagosaku そうですね。本名とかで自己紹介するよりもtagosakuですって言ったほうが大学の友達とかもわかるんで、そのまま改名のタイミングを逃しつつ今に至ります。でも今では気にいってますね、なかなか無い名前なんで。

‐確かに他にはいない名前ですよね。

DJ tagosaku 本名がケイスケなんで、そのままDJ名にすると凄くありがちな名前になってしまうんで、tagosakuで良かったです(笑)

‐確かに(笑)。では音楽の話をお聞きしていきたいと思うんですが、人生で一番最初の音楽体験って何でしたでしょうか?

DJ tagosaku Dance Dance Revolution(以下DDR)ですね。友達がDDRを持って家に遊びにきたんです。

‐いくつの時ですか?

DJ tagosaku 小学校4年ぐらいで、「新しいゲーム買ってもらったよ」ってDDR持ってきたんです。ちょうど流行りだした時ぐらいで、やってたら面白くて友達みんなでハマって。そのうちDDRのかかっている曲に興味が行き始めて、DANCE MANIAって書いているけどそのCDに入っているかなってツタヤに行ったらあったんで借りて、聞いたらちゃんとゲームの曲が入っている!となり、CDを色々借り初めて、それが音楽を聞き始めたきっかけですね。

‐ゲーム経由とはいえ、小学校ぐらいでダンス・ミュージックを聞き始めるのは意外と早いですね。

DJ tagosaku J-POPとかテレビで流行っている音楽やアニメじゃなくて、いきなりダンス・ミュージックに入っちゃいましたね。

‐そこからCDを集め始めたという感じなんですね。最初に好きになったアーティストとかジャンルとかはありますか?

DJ tagosaku コナミの人が作った曲もわりと好きだったけど、あとはユーロビートが結構好きで、SUPER EUROBEATとかも借りたりして、毎日聞いたりしてました。こういうCDって曲が繋がっているじゃないですかSUPER EUROBEATも、Dance Maniaもセパレートで入っているやつもあるんですけど、だいたいがMIXされているやつで、色々聞いているうちに「全部ちゃんと聞きたいのに、このDJっていうやつはウゼェなって」(笑)

DJウゼェ(笑)

DJ tagosaku 1曲丸ごと聞きたいのに!」っていう気持ちがあったので(笑)。その時DJが何なのかを調べたりして、ライナーノーツを読んでちょこっとある説明分とかを読んで、繋いでいるのはDJということを知って、「俺だったらこういう順番にするのになぁ」って思ってました。
DJ UTO『マネーのトランス』

‐ちなみに借りたんじゃなくて、最初に買ったCDというのは何ですか?

DJ tagosaku ある日テレビの「マネーの虎」を見ていてら、トランスのCDを出したいっていう人が出ていて、こんな世界もあるんだなって思って、生まれて初めて買ったCDがその番組から出た「マネーのトランス」ですね。

DJを意識したのはいつぐらいですか?

DJ tagosaku 中学の最初の頃ですかね。ただ機材もなくて、やり方も分からなかったですね。とにかく、何かしらな方法で彼らは繋げたりしてるんだと想像してました、いっぱいコンピューターがあって(笑)

‐(笑)。学校の音楽友達とかはいたんですか?

DJ tagosaku それがいなかったんです。だいたいその時代ってHIP HOPを聴いてるやつとか、バンドに憧れてる人だとか、175RとかMONGOL800とかを聴いているなか、俺はずっとSUPER EUROBEATを聴いていたんで、全く音楽の話はできなかったですね。
SUPER EUROBEATだけに飽き足らず、元のユーロビートを掘ったり、イタリアのポップスを掘り出したりして。僕のおじさんの彼女がマハラジャに通ってた世代で、ユーロビートのCDがいっぱいあったんで見境なくバンバン借りて、ずっとそれを聞いてました。ただ友達にそれを聞かせても「よくわかんない」って言われて。

‐共有できない(笑)

DJ tagosaku なんでこの楽しさを共有できないんだろっていうのはずっとありました。

いつ機材を買ったんですか?

DJ tagosaku 大学の頃ですね。

‐では高校まではずっと聞いていた専門だったんですね。クラブの初体験はいつでした?


DJ tagosaku 高校の時に悪友に誘われて舞鶴に一件だけクラブがあって、さびれた歓楽街の中にポツンと小さいクラブだったんですが、深夜に親の目を盗んで初めて行ったんです。僕は顔が幼いから、友達と「大丈夫かな、入れるかな」って話していて扉を開けたら「高校生?どうぞどうぞ」って言われて、あれいけんのって(笑)

‐心配して行ったけど(笑)

DJ tagosaku それで凄い恐い人達がいっぱいいるのかなと思ったら、見た目は恐いけど、みんな優しくしてくれるし、当時レゲエとHIPHOPのイベントに行ってたんですけど、色んなことを教えてくれて。面白いなって通ってました。レゲエよりもHIP HOPが好きになって、当時HIP HOPが流行っていたりしてたこともあり、そこから掘り始めましたね。それまで色んなジャンルを聞いていたんですが、それからHIP HOPにギューっと集約し初めて。DJHIP HOPでやり始めて。

‐最初のDJHIP HOPだったんですか?

DJ tagosaku ゴリゴリのHIP HOPでしたね。大学に入ってからだったんですが、大学のある京都からわざわざ舞鶴に帰ってそのクラブでやってましたね。たまによんでもらって、オープンとかクローズで回させてもらって。HIP HOPの界隈は凄い縦社会でしたね。

‐特に地方だと、そうなりますよね。ちなみに最初DJをやった時はどんな感じでしたか?

DJ tagosaku とにかく手が震えて、レコードに上手く針が置けなかったのは覚えてますね(笑)。オープンの担当だったので俺がかける前はクラブはシーンとなってて、みんな僕のほうをみていて「どうしよー」って(笑)。繋ぎもめちゃめちゃになって。

‐それでも楽しかったんですね?

DJ tagosaku そうですね。1年間ぐらい家でDJをやっていて、それを経てのクラブデビューだったんで。

‐ちなみに中学高校は部活は音楽系に入ってました?

DJ tagosaku 中学のときは、吹奏楽部に入ってました。

‐楽器は何を?

DJ tagosaku トランペットですね。

‐もともと音楽をやるほうに興味があったんですか?

DJ tagosaku うちの親が芸術大学出で、学生時代は吹奏学部に入っていて、その影響もあって俺も入ってみるかって感じで入りましたね。

‐部活は楽しかったですか?

DJ tagosaku 女の子しかいなくて、男一人で。初めは男何人かで入ったんですが、気付いたらみんな辞めちゃって、途中で男の子が入っては辞め、入っては辞めって言うのを見守りながら(笑)、最終的に俺だけ辞めれずって感じですね。

‐今から振り返って音楽的に勉強になった部分はありますか?

DJ tagosaku 曲を作る時のコードとかには役だってますね。ただ、周りは女の子ばっかりだったし、そこまで可愛い子もいたわくでもなく(笑)

‐高校も吹奏楽部でした?

DJ tagosaku 高校は吹奏楽部がなかったんで、授業終わったらすぐに帰ってましたね。

‐帰ってユーロビートを聴いてたって感じですか?

DJ tagosaku 当時釣りに凄いはまって、学校に内緒でバイクを持ってたので、バイクに乗っては釣りに行く毎日で、音楽はあまり聞いていなかった時期ですね。クラブに行き始めたのは高校の後半ぐらいだったんで前半の時はほとんど聞いてなったですね。

‐釣りにハマってたんですね。

DJ tagosaku そうですね、周りが海だったんですが、なんていい場所に住んでいるんだって初めて気づいて(笑)。

‐音楽から釣りにハマったtagosaku青年が、本格的にDJを目指そうとしたきっかけとかはあったんですか?

DJ tagosaku 舞鶴にいて決定的だったのは、DMCDisco Mixing Club:ターンテーブリストの大会)世界5冠をとったKireekDJ HI-Cさんがさっき言った舞鶴に一軒しかないクラブでDJを覚えていたんです。しかも僕が良く行ってたイベントのオーガナイザーの人が教えたっていうこともあって「今度世界No.1の人が来るから、見にこいよ」って言われて,行ったんです。

‐それは、いつ頃ですか?

DJ tagosaku 高校3年の冬とかですね。ちょうどそのクラブに通い始めたぐらいのときで、3時間か4時間ぐらいのロングセットで、ずっとスクラッチやってるプレイに凄い衝撃を受けて、俺もターンテーブルを買おうと!大学に行ったら親に何も言われないし、ちょうど入学の時にいた彼女も音楽サークルに入るって言ってて、俺も軽音にはいってターンテーブル買おうと色々調べて、ちょうど買えた時に彼女と別れましたね。

‐両方は持てなかったんですね(笑)

DJ tagosaku それからひたすら1年間ぐらい、DJのこともまだよくわかってなかったから、バトルブレイクスっていうスクラッチのネタ音ばっかり入っているレコードばっかりを買っちゃってて、ひたすらスクラッチの練習を1年間ぐらいやって、その後にやっとちゃんとした曲のレコードを買ったので、機材を買ってからDJデビューまでに1年間ぐらいかかったんです。

‐それでさっきのDJデビューの話になるんですね、

DJ tagosaku 縦社会だったんで、DJって言うのは重いレコード何十枚もガラガラと運ぶ、クラブに行く、オープンで回す、それから先輩の手元を見る、イベントが終わる、先輩たちと一緒にラーメンを食べる、先輩たちにぼこぼこに叱られる、これで終わりなんです。

‐オールドスクールな感じですね。

DJ tagosaku 超オールドスクールな、しかも田舎だったんで、1年間ぐらい鍛えられて(笑)「あの展開はダメだ」とか「オープンのタイミングであのREMIXは使っちゃだめであれは原曲をかけてからじゃないとダメだ」とか色々言われながら、「はい、はい」ってラーメンをすすってました。

‐今から考えるとありがたいですね。大学入って他のクラブでもDJをやり始めたんですか?

DJ tagosaku 5年間ぐらいは下準備の下積みみたいなことばっかり、基礎を叩きこまれて、教えてくれる人達も40歳ぐらいの人達ばっかりでした。舞鶴でDJやっている人が年上の方ばっかりで、その人達から京都にあるDJとかバーの知り合いを紹介してもらってたんで、紹介される人も必然的に30代とか40代の人ばっかりでしたね。京都でも昔はディスコで回してた人達にDJのことを教えてもらって、オープンからやらしてもらって、慣れてきたらクローズドをやらしてもらって、じゃあ次は2番手とか、メインに近い時間とかやらして頂いて。そういう意味では厳しいシビアな世界でしたね。

‐その頃はHIP HOPなんですよね。

DJ tagosaku そうですね、アナログで回してました。

‐何年ぐらいHIP HOPDJを続けたんですか?

DJ tagosaku だいたい4年とかぐらいですかね。ある日SCRATCH LIVE(スクラッチが可能なPCDJソフト)っていうのがでて、先輩にこんなん出たでって教えてもらったんです。当時は自分はレコードしか使ってなくて、CDJも使い方わかんなくて、最初にレコードプレイヤーを買っちゃったから、レコードを買うお金が先だったんでほとんどCDは持ってなかったんです。そんな時にSCRATCH LIVEを教えてもらって、これはいつか買おうと思ってて、何年かしたあとにその先輩が新しいのを買うからと古いのを安く譲ってくれて、それでパソコンでDJをやりはじめたんです。そうしたらアナログになっていない色んな音楽がかけられる、CDでも買えるし、データで売ってるものを使えるし、もっとDJの幅が広がると思って、それまでHIP HOPだけ聴いてたんですが、また色んな音楽を聞き始めた段階になったです。それぐらいの時に大学の友達でbeatmaniaが好きな友達がいて「俺もDDRが好きで」ってなって、そこから色んな人を紹介してもらって、音ゲーの曲にまた戻ったりして、ちゃんと音楽の話をできる友達ができましたね。

‐昔はいなかった念願の音楽友達ですね。

DJ tagosaku 大学にしてやっとユーロビートを語ることができる友達ができて、J-COREとか聴いてるなかで、Groovy経由でレオパルドン時代の政所さんを知ったんです。そこからナードコアっていうヤバイのがあると知って。HIP HOPだと英語のネタはあるじゃないですか、でもナードコアはアニメとか日本語のサンプリングがあって、こっちの方が分かりやすいし、こっちの方が好きだなって、ナードコアやJ-COREDJをやるようになったんです。


Vol.2に続く
(*DJ写真は1月18日のDugem Rising時に撮影)


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