2013年11月6日水曜日

shisotex, Suama, Soloist, KazuyaP, Richiterインタビュー Vol.3


Vol1(こちら)、Vol2(こちら)に続いてVol3では、各人が思うFUNKOTの魅力や、作る曲の特徴、そしてMEGA DUGEMへの意気込み等をお聞きしました!


‐ちなみに皆さんが考えるFUNKOTの魅力ってなんでしょうか?

「頭からで~」はFunkot Anthemのサビ
shisotex 正直僕自身はそんなに深く考えたことはないんですよ。僕は浴びるだけあびて、アガるだけアガるっていう、それだけの話になってしまって難しい話はいえないんですし、今言ったことの繰り返しになるんですが、浴びるだけ浴びて、アガれるだけアガルっていうことじゃないでしょうか?「頭カラで、アガれアガれ」っていう話なんですね。

Suama 聞いてる時はシソ君と同じ感じで、何も考えないで体を揺らしている人もいれば、スピーカーの前に行って頭を振っている人もいれば。作る側として考えれば何をやってもいいっていうことがあって、今までのジャンルだったら、これをやったらいフザケてるとかバカにしてるとか言ったり思う人もいるかもしれないけど、FUNKOTはそれをやっても当たり前なんですよ。それが出来るっていうのが凄い魅力になっていると思いますね。

shisotex その何でもありの背面に、フォーマットとしての整合性をしっかりつけないといけないというのもあって、その二律背反性はありますね。

‐なんでもありなように思われてるし、自分達でも思ってるけど、実はそこにはちゃんとしたルールがあると

shisotex まさにそういうことなんですよ

‐前のインタビュー(こちら)でRichiterさんがおっしゃっていた様式美っていうのと同じですね。

Suama 下地は絶対必要だから、けど上にのっかるものは何でもOKという感じで。ケーキの上に乗っけるものは何でもOKみたいな。

‐でもスポンジの部分はちゃんと作らないといけないという。

Richiter ほんと完全にそうですね。
shisotex クラブミュージック全般に言えることだと思うんですけど、特にこういうロングミックスのジャンルになってきますと様式美は必要になってきますよね。

‐ではSoloistさんどうですか?

Soloist やっぱ日常慣れ親しんでいるものだから、改めて魅力と言われてもなかなか難しいんですが、僕が最初に持ってかれたのも大きいんですけど、やっぱり色んなRemixものが多いじゃないですか、だから最初は「これのFUNKOTあるんだ」みたいなっていうのがあって。で、それをだんだん当たり前に取り込んでいってるインドネシア人の音を聞いると、あれだけ雑多に見えながらも完成されているところがやっぱ凄ぇなと思います。それでもって入口はいくらでもあるけど、奥が見えないというところに魅力があると思うんですよ。言葉で説明するのはなかなか難しいんですが。
Suama やってる側だとこういう考えが当たり前になっちゃって、身に付いちゃってることがあって、
Soloist たまにFUNKOTの魅力とか良さを言葉で説明するとしたらなんだろうって一晩中考えたりすることもあるんですが、結局朝になってよくわかんねぇやって。

全員 (笑)

Suama 全然答えがでないところというか、FUNKOTの魅力は底なし性だと思います。

‐どうですかKazuyaPさんは

KazuyaP 底なし性っていうところに繋がるんですが、DJをやるために曲をいっぱい集めて、もうないだろうと思った後に、「あーこんなんもあるのかよ」ってどんどん出てくるんですよ。だから飽きようがないっていう。そこが自分的な魅力なのかなって思ったりしますね

Soloist FUNKOTをこの3年間やってて、「俺FUNKOT飽きたかも」っていう瞬間がないんですよ。
Suama FUNKOTは他のジャンルの吸収が凄い多くて、例えばダウンビートも同じ展開で飽きてきたなぁって思ったらHardstyleいれてきたり、Dubstep入れてきたり、今だとDirty Dutchがさらに激しくなったようなのも入ってきたと思ったら、ダウンビートがないシンプルなやつとか、さらに洗練された音のやつとかがでてきたりするから飽きるタイミングがないんです。
Soloist 追っかけてると夢中になっちゃう。
Suama これを目指して集めてた最中に新しいものができてくるし(笑)
shisotex 全然追いつかないんですよ。

‐逆に、FUNKOTオンリーではないイベントに呼ばれる時に気を付けていることだったり、その時のお客さんの反応とかはどういう感じですか?

Soloist 最初そういうイベントに出てた時に、ネタものというか国産のもの、例えばシソ君のファミコンネタとかスアマさんのアニメネタとかを混ぜてかけてた時期があって、やっぱり受けがいいんです、あの曲のファンコット良かったねっていう。

‐ご自身のFUNKOTの入り口と同じ感じですね。

Soloist そうですね。でもそれだけでDJ終わらせちゃいけないなっていうのがあって、今では外のイベントや自分でやっているexperience!!っていうイベントとかで回す時は必ず入り易い曲と一緒にディープなのもかけてます。自分のプレイを通して、「○○のFUNKOT良かった」っていうのだけじゃなくて、「FUNKOT自体いいな」って思ってもらえるような。もちろんイベントに合わせてアニメネタだったり、4つ打ちの音楽だったり、激しい奴だったりと選曲には気を付けてます。

Suama TechnoとかTrance系のイベントだったらそのジャンルのネタをかけるし、一回オールジャンルと言われてたイベントの時、出演前に頭の中でTranceとかHardcoreかなって行ってみたらみんなReggaeHIP HOPだったことがあったんです。そこでみんな知ってる「Jump Around」とか「Out Of Space」とかやったんですけど、Reggaeの人達にはなんか飽きられたんですよね、最初の失敗を立て直すために何がいいのかっていうのが掴めないまま終わるっているのをしてしまったんです。後日、同じ主催者にまた呼んでいただいた時、出演者も似た感じでHIP HOPが多めだったんですが、そこで結局一番受けがよかったのはFUNKOTの定番をかけるっていうことだったんです。

‐おー。逆にいったらよかったんですね。

Suama そうするとみんな「なんだこれは」「なんでこのイベントにこんな音がかかってるんだ」って注目されて、やっぱり一回注目されないとダメなんですよね。
Soloist 注目のされ方は今までとは違うパターンだけど、
Suama アニソン系のイベントだったらアニソン系のネタやみんなが知ってるネタをかけたりするんですが、今仙台でやってるイベントもオールジャンルで、TechnoTranceHardcoreとかなんですけど、最初はそれに合わせたようなネタをかけてたんですけど、最終的にはFUNKOTの定番のDangdutネタとか、かけても盛り上がっている人もいて、毎回FUNKOTTシャツを着てきてくれるお客さん、そのイベント自体が小さいところでやってるんで、その人のためだけにやるようなこともあるし、リクエスト聞いてそれにあわせてやるときもあるし。DJっていうのはお客さんが「こういうのかけて欲しい」っていうのがあれば、それになるべく答えないといけないと個人的には思いますし、そういう感じで今はまわしていますね。

Soloist 僕はENAK MANDAYっていうアシパンで月曜日にやるイベントの時とかにお客さんからリクエストを受けますよって最初に言って、希望にそった曲をスムーズにかけるようにしてました。インドネシア現地だとリクエストシステムがあるのでそれを真似したいなっていうのもありますね。

‐サービス精神は持ちつつ、でもこれは聞いてくれっていう熱い思いがあるのは皆さん同じなんですね。

Suama その思いが強く出すぎるとエゴになっちゃうから、難しいですよね。準備してきてもかけられなかった曲すごいあるし。
Soloist 特にFUNKOTは曲が次々を生まれているんで、これをかけたいなって思ったまま1年間タイミングがない曲もあって(笑)
Richiter FUNKOTをやってると出番が一瞬で終わっちゃいますよね。なんぼ時間をもらっても一瞬で終わるんですよ。1曲の長さが長いっていうのもあるんですけど、40分でも50分でも1時間もらっても足りないんですよね、全然足らへんのですよ。一度2時間もらったんですけど、それでも足らへんかったんですよね。

‐その何時間っていうので思い出したんですけど、以前shisotexさんが24時間耐久FUNKOTDJし続ける Ustreamをやってらっしゃいましたよね。

shisotex 僕も今言われて思い出しましたね(笑)
24時間耐久FUNKOT Ustream
Soloist あれはいつだっけ2010年と翌年に2回やったんだっけ?
Richiter え?2回もやったんですか?
shisotex 2回は無理、2回は無理。
Soloist その後毎年リクエストしたけど、「俺は2度とやんねぇよ!」って(笑)
shisotex だってやりたくないもん(笑)。 あれは精神的にきついよ。

‐やろうと思ったきっかけはなんだったんですか?

shisotex 曲がたまってきたっていうのもあったんですけど、とにかくみんなに聴いてほしかったんですよ。日本人の方は、国産のトラックを耳にする機会はあっても、現地産のトラックっていうのは当時はなかなか聞けなかったんです。スアマさんがニコニコ動画あげてたMIXぐらいでしたね。だから自分が集めた曲を全部聞いてもらおう!って思ったんです。

‐別に24時間やらなくてもよかったんでは?

shisotex はい。
全員 爆笑
Soloist 当時のシソ君のコメント覚えてるよ。「クリックすれば24時間いつでもFUNKOTを聞ける環境を作りたい」って。
全員 書いてた書いてた!
shisotex  今言われて思い出した(笑)
Soloist あのMIXのセットリストを24時間分シソさんは全部公開してて、俺は全部11曲全部調べて探しましたね。
shisotex 一生懸命すぎるでしょ(笑)

‐ここにFUNKOT曲作る5名のクリエーター/DJがいますが、DJとしてSoloistさんから、ここの人はここが凄いとかのコメントいただけますか?まずはスアマさんから

Soloist スアマさんは、別名義でジョッキー・チェンの「Blood Bass」が少数リリースな感じでされてて、
Suama イベントとかで、こういう曲ありますよって配ったりしてたんです
Soloist その曲はHardfunkっていうジャンルに分類されるんですが、これはインドネシア、日本を含めて屈指のヤバさだろうと。あと昔の「Blood Is Punpim」とかもいいですね。

‐作る音の特徴とかはありますか?

Soloist スアマさんはとにかくビートとベースがパワフルで。名前の通りマスターベースですね。

‐ではシソさんは

Soloist シソ君はMegamixシリーズが定評があって、僕はその中でもメMegamix Betaが凄い好きで、数あるMegamixの中であれは聞きまくってますね。作る曲の特徴は、日本人の中でフォーマットが現地に一番近い、メロディーとかベースもそうなんですが、つなぎや声ネタの入れ方とか、細かいビートの刻み方とかダウンビートへの移り方とか細部が現地様式そっくりで、現地と比べてもあらがない。あとは「Deejay Gila」っていう2013年の頭にはやった曲があって、インドネシアのRemixもいっぱいあがったんですが、一番ヤバい、ハードなのはどれだって言われたら、シソ君の曲が一番ハードでいいなっていう。


‐ではRichiterさんは
F4J presents GIMME A FUNKY BEAT! feat. NRC DJ TEAM

Soloist リヒター君は「感動天感動地(カントンテンカントンティ)」っていう中華圏の曲のRemixが凄い好きで、一時期イベントでずっとかけてました。
Richiter ありがとうございます!
Soloist あとはちょっと宣伝になっちゃうんですが、今回僕編集したコンピ(右→)にはいっているジャズのスタンダードナンバーの「Fly Me To The Moon」のリミックスは本当にお気に入りで、リヒター君の良さがでてると思います。

‐特徴は?

Soloist 人に「これなんだろ?」って思わせるというかキャッチがあるのが凄いですね。忍たまのRemixとかやってるんですけど、それのイントロが同じ忍者繋がりで忍者ハットリ君のやつで。細かいところでも、おって思わせるフックが必ずあって、それは僕にだけ刺さるんじゃなくてフロアにいるみんなにも刺さって、「これ誰の曲ですか?」と聞かれますね。

KazuyaPさんは?

Soloist KazuyaPはやっぱ繊細で、、、鬼才ですね。

‐どういうところが鬼才なんでしょう?

Soloist こういう本人のキャラだからかもしれないんですが、この人からこういうのがでてくるかっていうのが、
shisotex ほんと、この男はとんでもないものを提出してくるんですよ(笑)。しかも割と頻繁に。
「Dubstep Shocker 2013」収録EP
Soloist 例えば「Dubstep Shocker 2013」とかも、当時DubstepFUNKOTに取り込むって言うのは現地でも最先端のことで、しかもその有名フレーズを重ねてきて、なんだこいつはって(笑)
shisotex 今回のM3に出したやつでやってくれた、DubstepHardstyleを合わせた「Dubstyle」をブチ込んできて、それは前例がないし。
Soloist シソ君もそうだけどトラックの全体が細かく精密になっているんですよ。
shisotex その中で一番精密なのは彼ですね。

‐では119日のMEGA DUGEMにむけての意気込み的なものをおひとりずつ頂けますか?

shisotex 日本最大のFUNKOTのイベントなんですけど、僕はそこをあまり意識しないで、私の全てをぶつけてお客さんを盛り上げたいと思います。月並みな意気込みではございますけど。

Suama 東京に来ると自分に求められているのは自分の曲なのかなと思っています。なので東京でやる時はFUNKOTを初めて体験しに来る人に向けたプレイを意識してやってることが多いんです、キャッチーなものを出すような。なので、いつも通りそれを出して、初めて来ても「あ、これわかる!」って、絶対に何かしら分かることをやっていきたいです。それが有名な曲じゃなくても、知らない曲なんだけどどっかで聞いたことがあるなっていうのでもいいと思うんです。お客さんはわかる曲がなかったとしても自分の知ってる中に残る何か、あれがFUNKOTだったなぁっていう、家に帰った後にそのメロディーが残るようなプレイをしたいですね。

Soloist 会場のamate-raxiは僕が3年前に初めてFUNKOTを浴びて衝撃を受けた場所で、その時のFUNKOTのかけるDJDJ JET BARONしか出てなかったんですが、今回はFUNKOTオンリーということで、せっかく来た人には当時の僕と同じ光景が見えるというか、同じような心境になって、その中からFUNKOTDJやってみたいとか作ってみたいとかっていうのを芽生えさせることができたらいいなって思います。
                               
Richiter さっきのスアマさんと同じ感じなんですが、僕を聞きにきてくれるっていうのは僕の曲が目当てっていう部分もあると思うので、そういうのを交えつつ。前回も言ったとおり求められてる曲と自分のかけたい曲を半々ぐらいでかけたいと思います。来た人を後悔をさせたくないと思います。

KazuyaPさんは今回は出演ではなくお客さんの立場ですが、いかがですか?

KazuyaP 僕が一番最初にいったFUNKOTのイベントはいきなりアシパンだったんで、その頃から考えるとamate-raxiFUNKOTオンリーでやるって凄いなって思うんですよね。なので、とにかく目一杯楽しみたいなと思います。

‐もうそろそろインタビューは終わりになりますが、何か言い残したこととかありますか?

Suama イベントと関係ないんですが、FUNKOTを作ったっていう人がいたら遠慮せずに送ってもらえると、嬉しいです。最近はFUNKOTも広がってきて、ちょっと出来ていないものも正直あったりもして、自分らは現地のクオリティの高いものを聞いてるんで、違うかなって思う時もあるんですが、どこまでがFUNKOTとして認識されているのかを確かめたいという気持ちもあって聞いてみたいと思うのもあるんです。

‐興味ある人や、作りたいと思っている人は最近けっこういますもんね。

Suama 作りたいっていうツイートはしょっちゅう見るんですが、作ったら叩かれるって思われているのか、あまり上がらないんですよね。それと実際にそれで誰かが叩かれているのは見たことないんですよね。

‐叩かれるっていう言葉だけが一人歩きしちゃって、実際に自身の曲をあげてる人に「おいこれ糞じゃねぇか!」って誰も言ってないですもんね。

Suama もしそう言われるとしても、言われるだけまともだと思うんですよ。僕が昔あげた時は完全にスルーでしたからね(笑)
Richiter 「作ったけど、どうですか?」って意見をもらえるのは嬉しいし、僕は最初はそこから始まったんですし。
Soloist リヒター君の初期のころは、政所さんとかと話してて「西の彼、頑張ってるねー」って話してましたよ。
Suama それでもし、全然ダメだとしても、アドバイスとかもらうとかっていう気になるし、実際にそういう人もいるんですよ。

‐傍目からみると閉鎖的に見えるかもしれませんが、実は全然そういうことはないってことですね。誰でもウェルカムだと。

Soloist 門をたたくのは大歓迎です。
Suama それで叩かれてやめるっていうのは別問題だと思いますし。

‐それはどのジャンルでも同じですよね。

Suama 何か言われるのが嫌だったら何も言わずにアップもせずに自分だけで聞いてればいいと思うんです。なので、なんかそういう誤解は解いていきたいです。
Richiter あとはDJ増えて欲しいですね。聞きたいんですよ。
Soloist 自分で聞きたい曲をきけないから自分でやるっていう
Richiter たまたま自分が行ったパーティーでFUNKOTがきけるといいなって。
Soloist なのでMEGA DUGEMを通してFUNKOTやりたいって思ってくれたら嬉しいですね。
Suama 聞く人ももっと増えて欲しいですね。

‐始めるためにも、やりたい人は一度きて欲しいですね。長い時間ありがとうございました。


1026日浜松町にて)


*24時間耐久FUNKOT USTREAM「24hour Funkot Mix 2011」の詳細は以下

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